この記事では、「仮想通貨ってなに?」「危なくないの?」という方に向けて、仮想通貨のキホンを解説していきます。具体的には、以下の項目についてです。
- 仮想通貨とは?
- 仮想通貨の仕組み
- 電子マネーとの違い
- 仮想通貨の種類
- 仮想通貨でできること
仮想通貨は、正しく理解すれば怖いものではありません。今後、今よりもっと普及し、いずれ避けては通れない存在になると思うので、今のうちに正しく理解しておきましょう!
初心者の方向けに、わかりやすく解説していくので、ぜひ最後まで読んでください!
そもそも仮想通貨とは?
仮想通貨とは、インターネット上でやり取りされる世界共通のお金です。
紙幣や硬貨のように、実際に手に取ったり目に見えたりしないので、初めは「怪しい」と思う方も多いと思います。
しかし、電子マネーと同じように、実際に目に見えなくても、インターネット上にきちんとデータとして存在し、価値があります。
また、仮想通貨は「危ない」と思われがちですが、実は、不正が起こらないようにさまざまな技術が使われています。
ちなみに仮想通貨は、2020年5月の法改正により、正式名称が「暗号資産」となりました。ただ、すでに「仮想通貨」という名前で浸透しているため、今でもそう呼ばれる場面が多いです。
つまり、仮想通貨と暗号資産には意味の違いはなく、「仮想通貨=暗号資産」と覚えればOKです!
仮想通貨の方がなじみ深いと思うので、本記事でも仮想通貨と表記しています。
仮想通貨の仕組み
仮想通貨にはたくさんの種類があり、それぞれが全く同じ仕組み、というわけではないのですが、ここでは、ビットコインをはじめとした一般的な仮想通貨の仕組みを2つ紹介します。
- 特定の管理者がいない
- ブロックチェーン技術が使われている
わかりやすく、なるべくシンプルに解説していきます!
1.特定の管理者がいない
一般的に、インターネットを利用したサービスでは、管理者がサーバーをもち、そこで全ての情報を保管・管理します。そしてユーザーは、管理者(サーバー)を通して、他のユーザーと通信します。
例えば、メール。メールを送受信するときは、メールサーバーを介して相手とやり取りします。そして、送受信したメールのデータは、サーバーに保管されます。
しかし、この通信方法だと、アクセスが集中してサーバーに負荷がかかったり、アクセス速度が落ちやすくなったりします。
また、サーバーがハッキングされると、全てのデータが簡単に流出したり、書き換えられたりするなど、さまざまなトラブルが起こり得ます。
一方、仮想通貨には特定の管理者がおらず、それぞれのユーザー同士が直接つながって通信します。
この方法だと、情報を一ヶ所に保管するわけではなく、世界中に広がる多数のユーザーが、直接やり取りし合ってデータを共有するので、先ほど挙げたようなトラブルが起きにくくなります。
とはいえ、「管理者がいないと、改ざんや不正が起きるのでは?」と心配になるかもしれません。
そこで生まれたのが「ブロックチェーン」という技術です。
2.ブロックチェーン技術が使われている
「ブロックチェーン」とは、仮想通貨の取引履歴の全てのデータを、一から順につなげて保管する技術です。
そして、その取引履歴のコピーは、世界中の無数のコンピュータで共有されます。
新しい取引があれば、その情報は過去の取引履歴に次々とつなげて保存され、その他のコンピュータにも同期されます。
全く同じ情報を分散して保管するので、日本語では「分散型台帳」とも呼ばれます。
過去からの取引履歴の全てがつながりをもって、世界中に分散・保管されているので、万が一、一つのコンピュータ上で不正が起こったとしても、すぐに追跡することができます。
また、その他の無数のコンピュータに正しい情報が残っているので、不正だということがすぐにわかります。
イメージでいうと、銀行の一人ひとりの預金通帳に、全ユーザーの取引履歴が全て記帳されていくような感じです。
みんなが、それぞれの通帳に同じデータを持っているので、誰か1人が通帳を不正に書き換えたたとしても、みんなの通帳とデータが違うので、書き換えたことがすぐにバレます。
そして、履歴を一つずつ遡っていくことで、どこで書き換えが起きたのかがわかります。
このように、仮想通貨には改ざんや不正ができないような仕組みがあります。
(ちなみに、これら無数のコンピュータのデータを書き換えようと思ったら、莫大な電力を消費し、電気代は1時間あたり数千万円もするそうです…。)
仮想通貨の仕組みがわかったところで、次は電子マネーとの違いを見ていきましょう。
仮想通貨と電子マネーの違い
仮想通貨は「紙幣や硬貨ではないお金」という点では電子マネーと同じです。
しかし、仮想通貨と電子マネーには大きな違いが3つあります。
①管理者がいない
②値段が変わる
③現金に戻せる
一つずつ説明しますね!
①仮想通貨は管理者がいない
先ほど「仮想通貨の仕組み」で紹介したように、仮想通貨は特定の誰かによって管理されているものではありません。
例えば、電子マネーの「nanaco」はセブン・カードサービス、「楽天Edy」は楽天Edyが管理・運営しています。
ユーザーの情報や取引履歴などのデータは、一つのサーバーに集めて保管しておくため、サーバーにトラブルが起きたり、ハッキングされたりしたら、データが失われることもあります。
しかし仮想通貨は、特定の管理者がおらず、ユーザー同士が直接データのやり取りをするため、その心配がありません。
②仮想通貨は値段が変わる
電子マネーは、チャージ(入金)した金額分だけ使うことができます。もし、1,000円分チャージしたら、その1,000円が、急に1,200円になったり800円になったりはしません。
しかし仮想通貨は、株価のように需要と供給によって、常に価格が変動しています。
例えば、ビットコインを1,000円分購入すると、それが1,200円になったり800円になったりと、価格が上がったり下がったりします。
③仮想通貨は現金に戻せる
電子マネーは、一度チャージすると、現金に戻すことはできません。また、チャージしたお金を、nanacoから楽天Edyへ、など他のサービスに移動させることもできません。
しかし仮想通貨は、一度購入したら売って現金にすることができます。
また、他の仮想通貨取引所や、仮想通貨を保管できる「ウォレット」というアプリに移動させたりすることもできます。
仮想通貨の種類
仮想通貨と言えば、ビットコインを1番に思い浮かべる方が多いと思います。
ビットコインは仮想通貨の一つの種類で、その他にも世界中にはたくさんの種類の仮想通貨が存在します。
2022年現在、仮想通貨は世界に15,000種類以上あります。
これらのうち、ビットコイン以外の仮想通貨は、全てまとめて「アルトコイン」と言います。
知名度の高いアルトコインには、以下のようなものがあります。
- イーサリアム(ETH)
- リップル(XRP)
- ライトコイン(LTC)
- ネム(XEM)など
アルトコインの基本的な仕組みは、ビットコインとほとんど同じです。しかし、ビットコインよりも「送金速度をもっと速くする」「手数料をさらに安くする」など、各コインに目的や用途があり、それぞれ特徴があります。
仮想通貨でできること
現在、仮想通貨を使って以下のようなことができます。
- 決済手段にする
- 国内・海外送金をする
- 投資をする などなど
決済手段にする
家電量販店のビックカメラでは、ビットコインで支払いができます。そして、飲食店やネット通販でも、ビットコインでの決済が可能なお店が増えつつあります。
また、仮想通貨は世界中どこでも使えるので、海外に行った際には、両替の必要なしに決済に使うことができます。
国内・海外送金をする
仮想通貨は、スマホやパソコンさえあれば、世界中のどこにでも送金することができます。
国や銀行などの管理者がおらず、ユーザー同士で直接やり取りできるので、手軽に・少ない手数料で・素早く送金することができます。
投資をする
仮想通貨は、株と同じように常に価格が変動するので、安く買って高く売れば利益を得られます。そのため、投資先にすることもできます。
仮想通貨は、これからどんどん市場拡大し、価格が上がっていくと考えられているので、将来のために今のうちに買って、長期的に保有しておくのがおすすめです!
ちなみに、このように、すぐに手放さず長期的に保有する投資スタイルは、「ガチホ」と呼ばれています。(ガチでホールドの略です。)
短期的な売買を繰り返すことは、初心者には難しくリスクも大きいので、仮想通貨で投資するなら「ガチホ」するとよいですよ!
まとめ
仮想通貨というと、「損しそう」「なんか怪しい」というマイナスなイメージがもたれやすいと思います。
実際に、株取引などと比べても、価格変動がとても大きいため、短期間で売買していると大きく損してしまうこともあります。
しかし、正しく知れば怖いものではありませんし、長期的に保有すれば、資産を増やしていていけると考えられています。
仮想通貨を始めてみたいなと思う方は、こちらの記事で仮想通貨の始め方を詳しく解説しているので、併せて読んでみてください!